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取引単位営業利益法の比較対象企業の選定

取引単位営業利益法は、類似する状況下において類似する事業活動を行っている第三者の利益水準指標に基づき関連会社間取引における独立企業間価格を検証する方法です。具体的には公開データの中から機能及びリスクの類似性及び属している業界・マーケットの類似性等を考慮して比較対象会社を選定することになります。

昨今、この比較対象会社を選定するにあたり、納税者側と国側の主張が対立、東京高裁まで進んだ案件につき国側が敗訴、国から最高裁への上告は行われず判決が確定しました。
問題になったのは比較対象会社を選定するにあたり、国外関連者が製造する製品と比較対象会社が製造する製品について、市場の状況(市場占有率と需要)に差異があるかどうかという点にあります。国外関連者の製品と比較対象会社の製品それぞれにつき、価格競争力や市場シェアが同程度のものかどうかが焦点となりました。結果として両社の製品について市場の状況に差異があったことから、国が選定した比較対象法人は国外関連取引との比較可能性がないという結論になりました。

このように比較対象会社を選定する際には、製品の類似性、市場の類似性、機能の類似性などの検討、すなわち機能及びリスク分析が重要になります。