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利益Bの取扱い -Follow-up

OECDは従前から基礎的なマーケティング・販売活動を行っている企業活動に係る移転価格について、簡素化・合理化するアプローチ(利益B)の検討を重ねてきています。利益Bの目的は、これらの企業に対して固定的な独立企業間レンジを形式的に決定することで、移転価格税制の執行を円滑にすることです。当該簡素化・合理化アプローチは、2025年1月1日以後に開始する事業年度について選択適用することができ、利益Bを採用する国・地域のリストがOECDのウェブサイトで公開されることになります。

簡素化・合理化アプローチの主な特徴として、当該アプローチを適用するかどうかは納税者の選択制であること、重要な無形資産やリスクを負っている場合は適用されないこと、有形商品の販売に限定されること(すなわちデジタルサービスを含む役務提供は含まない)などが挙げられます。

独立企業間レンジの決定方法として、統計上の業種別利益水準に基づき3つの業界グループに区分した上で、さらに販売会社の売上高営業資産比率又は売上高販売管理比率の多寡に基づき5つに分類、結果として15分類(3区分×5区分)ごとに固定的な売上高営業利益率が決められることになっています。今後さらに詳細な手順が開示されることになりますので、継続注視する必要があります。