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第8話:出国後に支給した給与の源泉_vol.2

国際税務の最前線を紹介する
「Rino's Tax Diary」 
第8話:出国後に支給した給与の源泉_vol.2
ところで、「納税管理人は会社がなっているんですよね?」リノは聞いた。
「ええ。出国までにとても手続きが終わりそうもなかったので、納税管理人の選任だけはしておきました。」篠山さんは答えた。
「それならばよかったです。うっかり納税管理人の選任を忘れていると、本人が出国する時までにすべての税務処理を終わらせないといけないですからね。」リノは安心した。
「納税管理人の選任については、昔、ある担当者が選任の手続きを忘れてひどい目にあったことがあるんです。本人は出国してしまったらあとは知らないって感じなんですけど、残された私どもは残務処理に振り回されてしまって。いちいち書類を海外に送って本人のサインをもらうなんて実務的に難しいですからね。ましてやうちの会社みたいに出張や転勤が多い会社だと、まず本人をつかまえるのは大変ですよ。だから、それ以降はEXPATが出国する前には何が何でも全員から納税管理人の選任をしてもらっています。」篠山さんは以前起こったことを振り返って言った。
「確かに、納税管理人の選任のことは知らないとうっかり届出を出し忘れちゃうんですよね。出国した後に住民税の納税通知書と納付書が送られてきて、あっこれも支払わなくちゃということになるんですよね。本人との契約で諸税金は会社負担のことが多いから、結局グロスアップ計算して納税することになるんですよね。」
「ほんと、そうですよ。しかしまあ、このグロスアップ計算は曲者ですね。本人は手取り100万円という契約であれば、100万円もらってそれでおしまいですけど、住宅手当や社会保険や何やら色んなものが会社負担になっていますからね。割り返すととんでもない給与総額になりますよね。まったく言い身分です。EXPAT一人抱えるだけで大変な経費ですよ。」篠山さんはあきれながら言った。
「そうですね。だからこそEXPAT関係の給与は源泉税の税務調査で問題になるところなんですよね。EXPATが恒常的に勤務していそうな会社に集中して調査に入るなんてこともあるみたいですよ。」リノはそう言った。
「へえ、そうなんですか。普段から注意して処理しておかないとだめですね。」篠山さんは
自分に言い聞かせるように納得してそう言った。
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