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事業所得の内外区分

国際課税を考えるときに、日本の所得税や法人税の計算の際に、国内源泉所得を種類ごとに区分する必要がある、というお話をしました。
ここでは、そのうち、事業所得についての細かい説明と、注意点や事例などを紹介します。

事業所得とは、「事業及び資産運用等の所得」のうち、国内において行う事業から生じた所得を指します。
「国内において行う事業」ですが、たとえば事業者Aが棚卸資産を外国で仕入れ、それを日本国内で販売するときに、それが国内において行う事業かどうか判断に迷うかもしれません。
この場合日本の所得税法では、
・その棚卸資産が、引渡し直前に日本国内にあったこと、又はその事業者AのPE(恒久的施設)によって管理されていたこと
・その譲渡の契約が日本国内でなされたこと
・その契約を締結するための注文の取得、協議その他の重要な行為が日本国内でなされたこと
のいずれかであれば、国内において行う事業である、と定めています。

それでは、事業者Bが外国で製品を製造し、日本でその製品を販売したらどうなるでしょうか?
この場合は、その事業者Bが日本で販売した製品にかかる利益を、国外での製造活動から生じる部分と、日本での販売活動から生じる部分に分ける必要があります。 この場合、その販売活動から生じる所得とは、事業者Bが、独立した第三者Cから通常の取引条件で製品を仕入れたと仮定した場合に、その製品の販売により生じる利益が「国内において行う事業」である、ということになります。

逆に、事業者Cが日本で製品を製造し、外国でその製品を販売したらどうでしょうか?
この場合は、上記と逆に、その販売した製品にかかる利益を、国内の製造活動から生じる部分と、外国での販売活動から生じる部分に分け、国内の製造活動から生じた部分についてのみ、国内の「事業所得」に該当するのです。言葉を変えて言えば、「国内源泉所得」です。

それでは、その所得が事業所得にあたった場合、どのように課税されるのでしょうか?
その事業者が内国法人や居住者であれば、もちろん総合課税されます。そうではなく、事業者が非居住者や外国法人の場合は、その事業者のPEが日本にある場合は、総合課税されます。しかし、日本にPEが無い場合は、事業所得については日本では非課税となります。「PEなければ課税なし」ということです。
なお、事業所得については、源泉所得税はかかりません。

ここで重要なことですが、上の説明は、日本の所得税法上の規定です。しかし各国との租税条約(国内法に優先して適用されます)では、独自の考え方や解釈を持っていますので、最終的に課税関係を判断するのには、租税条約を確認して行わなければならないので、くれぐれもご留意ください。
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