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外税控除の限度額等の繰越

日本の税金の計算で控除することが出来る外国税額は、その全額ではなく、控除限度額まで、というお話をしました。
それでは、当期の国税の控除限度額を超えた外国税額は、もう控除することが出来ないのでしょうか?

まず、外国税額控除は、法人税や所得税といった国税だけではなく、地方税にも認められています。そのため、国税で控除限度額を超えた外国税額は、まず住民税(地方税です)から控除されることになります。
住民税の控除限度額は、一般的に国税の控除限度額の17.3%になります。(実際税率によることも可能です)

ここで、住民税の控除限度額も超えてしまって、それでも控除しきれない場合もあります。その控除しきれない金額を「控除限度超過額」といいますが、それはもう切り捨てられるのでしょうか?

いえ、そのような控除限度超過額、言い換えれば当期に国税と地方税から控除しきれなかった控除対象外国税額は、翌年以降3年間繰り越すことができ、繰り越した年度に、その年度の「控除余裕額」の範囲内で控除することが出来るのです。

それでは控除余裕額とは何でしょうか?(このあたり、混乱するかもしれないので、何回も読み直されるといいと思います。)
上とは逆に、外国税額が国税の控除限度額より少なかった場合、その差額を「控除余裕額」といいます。控除限度超過額が前の年から繰り越された場合、その年の控除余裕額の範囲内で、前の年の外国税額が控除できるのです。
更に、この控除余裕額も、実は3年間繰り越すことが出来ます。(一層混乱させてしまってすみません。。)

◎それでは再び例を挙げて説明しましょう。
前回の例と同じですが、当期の課税所得がゼロになっています。

(当期の状況)
日本の会社A社の、今期の全世界の課税所得をゼロとします。(当然法人税額もゼロです)
A社は、今期海外の会社から配当1,000ドルを得ました。その際に源泉を100ドル引かれています。なお、課税所得ゼロというのは、この配当所得1,000ドル込みのものです。
外国で得た所得は、この配当だけになります。

(翌期の状況)
翌期、A社は全世界の課税所得が50万円になりました。
A社は、翌期も海外から配当2,000ドルを得、その際に源泉を200ドル引かれています。この配当2,000ドルも、課税所得50万円の中に含まれています。
A社の控除前の法人税額は20万円でした。

以上のケースで、外国税額控除はどのように計算されるでしょうか?
なお、為替レートは1$=120円とします。

(思考パターン)
当期の控除限度額はゼロになり、外国法人税額100ドル、つまり12,000円は、控除限度超過額となって全額翌期に繰り越されます。
一方翌期では、控除限度額は20万円×2,000$(=24万円)÷50万円=96,000円になります。
翌期の外国法人税額は200ドル(24,000円)、当期からの繰越控除限度超過額は12,000円、合計36,000円は、翌期の控除限度額以下なので、この36,000円は全額、翌期の外国税額控除を受けることが出来ます。
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