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第3話:親会社付替え経費

国際税務の最前線を紹介する
「Rino's Tax Diary」 
第3話:親会社付替え経費
「おはようございます。いや~、今日も朝から暑いですね。」そういいながら増川さんは、リノが作業している部屋に入ってきた。今日は台湾系のIT企業にBook reviewのため、朝からおじゃましている。
「さっそくなんですが、ちょっと質問していいですか?」増川さんはリノに資料を見せながら早々に隣に座った。
「突然、台湾本社からこの経費を日本で計上しろという指示がきたんです。これってこっちの帳簿に入れちゃっていいんですか?入れちゃっていいも悪いもないですけどね。向こうが入れろと言ったら、入れることが絶対ですから・・・。」増川さんはあきらめムードだ。
「どんな経費ですか?」リノはすかさず聞いた。
「アドミっぽい経費みたいですよ。たぶん本社の人間が、こっちの契約書とかチェックしているんじゃないんですかね。それでその人の作業分としてチャージしてきているんじゃないですか。」
「本社からInvoiceとかは発行されないんですか?」
「Intercompany間の取引ですから、そんなものありませんよ。」
「それはまずいですね。御社の場合、台湾は親会社ですけど、御社とはあくまでも別会社ですから、請求するのであればちゃんと請求書を出してもらう必要がありますよ。」リノは続けた。
「あと、もしアドミの作業について請求されているのであれば、請求額の計算根拠を出してもらった方がいいと思いますよ。実際に人が動いているのであれば、誰が何の作業を単価がいくらで何時間作業したか、内訳を出してもらうのがベストなんですけどね。」
「えっ、そんなに細かい内訳が必要ですか?うわ~、本社はそんなこと言って内訳なんて出してくれるかな~。」増川さんは本社に追加で資料をリクエストするのに抵抗を感じているらしい。
「そこはなんとかお願いしたいんですけど。つまり、台湾と御社が親子関係であったとしても別会社ですから、根拠のないチャージを御社で計上するとなると、それは親会社に対する寄付金ということになってしまうんです。台湾は国外関連者に該当しますので、税務上、国外関連者に対する寄付金ということで全額損金不算入になってしまいますよ。」とリノは損金不算入の箇所をちょっと強調して言った。
「損金不算入になってしまうのはまずいですね。わかりました、ちょっと台湾の方へ今の状態だと損金不算入になってしまうから、請求書と計算根拠がわかる資料を出してもらうようにお願いしてみます。」増川さんはそう言って立ち上がった。
「ええ。そうですね。宜しくお願いします。」リノは今日の作業にかかるために電卓をカバンから取り出した。
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