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第27話:EXPATの法定家賃_vol.3

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「Rino's Tax Diary」 
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Rino's Tax Diary 第27話:EXPATの法定家賃_vol.3
「ブレックスジャパンの久野さんからお電話です。」同僚の川崎さんが電話を取り次いでくれた。
ブレックスジャパン株式会社はUS系の医療機器の輸入販売会社で、久野さんはブレックス社のベテランの経理マネージャーだ。
先月、ブレックスジャパンは日本の代表取締役が変わったばかりで、リノはまだ新任の代表者と会ったことはない。ブレックスジャパンには常時EXPATが10名前後おり、それぞれのEXPATの赴任期間はまちまち、待遇条件も個々に違うので、久野さんは課税関係を調べるのにいつも四苦八苦しているようだ。
「いつもすみません。実は先月、新しいアメリカ人のCEOが赴任してきたばかりなんですが、メイドさんも一緒につれてきているんですよ。」久野さんが切り出した。
「え~っ、メイドさんですか。すごいですね。」リノはびっくりして大きな声を出した。
「そうなんですよ。こんなことは初めてのケースですよ。」久野さんも驚いているようだ。
「なんでも今度のCEOは、こちらに赴任してくる前に香港で働いていたんですけど、その時に雇っていたフィリピン人のメイドさんが気に入っているみたいで、日本に来るときに一緒に連れてきちゃったようです。」久野さんは続ける。
「そこでお伺いしたいのですが、CEOはアパートメントの借り上げ社宅になりますが、メイドさんを近くのマンションに住まわせて、マンションからCEOの自宅へ通ってもらうようなのですが、この場合の課税関係はどうなりますか。」
「メイドさんのマンションの賃借料も御社が支払うのですか?」リノは質問した。
「ええ、CEOが本社と結んだOffer letterを見る限り、メイドさんの家賃も含めて支払うことになっています。」
「そうなると、メイドさんのマンションの賃借料は100%課税されますね。」リノはすぐに答えた。
「やはりそうですか。ひょっとすると法定家賃の範囲に含まれるかと思って少し期待していたんですけど、やっぱりダメですね。」久野さんはがっかりしたように言った。
「CEO本人と家族であれば社宅として法定家賃の計算をしてもよいですが、メイドさんは難しいですね。」リノは残念そうに付け加えた。
「わかりました。本人にもその旨話してみます。本人も気にしていたようでしたから。ありがとうございました。」久野さんはそう言って電話を切った。
リノはメイドさんがいる生活ってどんな生活なんだろうと想像してみたが、現実離れしていて全く見当もつかなかった。
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