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第26話:EXPATの法定家賃_vol.2

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Rino's Tax Diary 第26話:EXPATの法定家賃_vol.2
「すみません、先ほどお電話した件なのですが、追加で一点確認したいことがあるんですけど、よろしいでしょうか。」相手はリノが5分前に電話を切ったばかりのブレックスジャパン㈱の久野さんだ。
「ええ、大丈夫ですよ。」リノは快く応じた。
「あの、うちのEXPATの役員も借り上げ社宅がありまして、こちらの課税関係はどうなるのかも確認したいんです。確か、従業員と役員で税務上の取り扱いが違うというのを聞いたことがあるものですから。」受話器の向こうから書類をめくる音が聞こえる。久野さんは手もとの書類を見ながら話しているようだ。
「そのとおりです。よくご存知ですね。」リノは続ける。
「ところで、そのEXPATの役員の方が住んでいらっしゃる家の広さってどのくらいですか?」
「広さですか?う~ん、すぐにはわからないですけど、家賃がすごく高いから都内の一等地で、たぶん広いところなんでしょうね。何か問題でもあるのですか?」久野さんは不安そうだ。
「ひょっとして床面積が240㎡超ですか?」リノは聞き返す。
「契約書を確認しないとわからないですけど、その可能性はありますね。」久野さんは答えた。
「もし、床面積が240㎡超だと税務上は豪華社宅に該当しますので、賃料相当額が課税になりますよ。」とリノが説明すると、
「えっ、そうなんですか。それはものすごい課税になるんですね。」久野さんは驚いている。
「家賃は会社が全額負担しているし、彼には手取保証をしているということになると、これもGross-upの対象になるっていうことですか?月額の家賃は確か150万円近いですよ。」
「月額150万円ですか。ものすごい金額のGross-upですね。」リノもさすがに驚いた。
「家賃だ、光熱費だ、車だ、保険だ、税金だとか、なんだかんだ言ってみんなGross-upされるから、基本給の3倍くらいの負担になっちゃうんですよね。うちの販菅費はEXPAT関係の費用がほとんどですからね。他は節約しろとうるさいのに・・・。ここだけの話、もう少しローカルスタッフの給与も増やしてほしいんですけどね。」久野さんは不服そうだ。
「まあ、彼らからしてみると、先進国といえども言葉も文化も違う遠い国へ赴任させられているという感覚があるから手取保証してほしいという考えなのでしょうね。基本給だけで3,000万円クラスのEXPATだとGross-upした結果、1億円近くなってしまったケースもあるほどですよ。」リノは諭すように言った。
「そうですか・・・。わかりました。いずれにしてもすぐに賃貸借契約書を調べてみます。また何かあったら連絡させて頂くかもしれません。それでは失礼します。」久野さんはあきらめたようにそう言って電話を切った。
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