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第24話:Tax Committeeからの提言_vol.2

国際税務の最前線を紹介する
「Rino's Tax Diary」 
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Rino's Tax Diary 第24話:Tax Committeeからの提言_vol.2
「さっきの話の続きだけど、他にも信じられない提言があるのよ。」リノはたまたま雑誌に書いてあったヨーロッパビジネス協議会の税務研究会が出した提言を読んで、同僚のアキを目の前にして話を続ける。

「役員給与のうち、定期同額でない支給は損金不算入でしょ。それを役員の業績賞与は損金算入すべきだっていう提言内容なの。信じられなくない?」
「へぇ、それはまた思い切った提言だよね。どうしてまたそんなこと言っているんだろう。」アキは解せない顔をしている。

「欧米諸国の多くの国では、役員の業績賞与は合理的な理由があるので損金算入という取り扱いになっているらしいのよ。日本が損金不算入なのは、国際的な方向性と合わないから変えろと言っているのよ。これも日本的な感覚からすると、どうなのかなって思わない?だって、外資系企業の役員給与って毎月の給与も高額だけど、パフォーマンスボーナスとして支給する業績賞与の金額は破格だよね。何億円も支払われるケースがあるじゃない。それを損金算入にするのは、会社のあり方を問うことにもなるよね。伝統的な日系企業の役員給与は、外資系の役員給与と比べて多くないじゃない。最近はベンチャー企業とかトップが外国人の日系企業とかは外資系企業のような報酬体系にしているところもあるけどね。こういう話は、そもそも会社とは誰のものなのかを考えることにもつながるよね。外資系企業の多くは、会社は株主のもので、利益を株主に還元し、利益を出したのは経営者の業績だから一部の役員が高額な賞与をもらって当然という考え方なのかもしれないけど、日系企業は、役員の業績もさることながら、そこで働いている従業員の貢献のもとに会社が成り立っているって考えている会社も多いから、一部の役員だけが破格の報酬を手にすることをきらう会社もあるよね。
しかし、もし役員の業績賞与が損金算入になったら、外資系企業はウハウハなんだろうね。役員はガッツリもらえるし、税金は抑えられるし・・・。ごめん、すっかり持論を展開しちゃったね、仕事を邪魔して失礼しました。」リノはアキにそう言って自席に戻った。

アキは今リノが言っていたことを自分の中で反芻しているようだ。
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