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第23話:Tax Committeeからの提言_vol.1

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「Rino's Tax Diary」 
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Rino's Tax Diary 第23話:Tax Committeeからの提言_vol.1
「ねぇ、ちょっとびっくりする提言を読んだんだけど。」リノはたまたま読んでいた雑誌を手にしたまま、興奮しながら同僚のアキに話しかけた。
「どうしたの?急に。」とアキは怪訝そうな顔をして、作業していた手を休めてリノの方を振り返った。

「今、この雑誌を読んでいたんだけど、ヨーロッパビジネス協議会というところの税務研究会が出した提言の内容がびっくりなのよ。何点かあるんだけど、そのうちの一つが日本の税務申告書の提出期限が短すぎるから長くした方がいいっていうものなの。今は事業年度終了日から2か月以内、提出期限の延長をしても3か月以内でしょ。それを1年以内にした方がいいっていうものなのよ。その理由が、税務会計担当者の短期間に集中する事務負担の軽減と、他の国の提出期限が遅いからですって。どう思う?」さらにリノは続ける。

「もし申告期限を1年後に設定しても、作業はやっぱり申告期限ぎりぎりになるだろうし、取引から1年も経っていたら何の取引かも忘れちゃうと思わない?申告期限を延ばしたところで適正な申告ができるとも思わないよね。以前にうちが加盟しているIECnetの会員に話を聞いたことがあるんだけど、実際にフランスとかヨーロッパの方は確かに1年以内に申告すればよいって国は多いみたいで、会計事務所は1年前の申告書を悠長に作成しているみたいだけど、結局申告期限ぎりぎりになって作っているみたいよ。彼らからすると日本は提出期限が早すぎて、よくそんなに早く締められるねってびっくりされるけどね。実際、外資系のクライアントから本社の申告期限が1年なのに、日本は2か月で早すぎる、資料をそんなに早く出せないと言われることがあるよね。」リノは一気に話してから一息ついた。

「へぇ、そうなんだ。でも、どうせ必ず申告書を提出しなければいけないんだったら、さっさと済ませた方がいいよね。内容も忘れちゃうし。日本人はせっかちだから、申告期限は早くていいんじゃない。ヨーロッパ人の感覚とは明らかに違うよね。グローバル化しているから日本も欧米方式にあわせろって言うのもわからなくもないけど、税法だけじゃなくて会社法とかの関係もあるし、すぐに変えるのは難しいよね。」とアキは自分の意見を言った。

「そうだよね。もし、1年とかになったらそれはそれで嫌だな。長い間、短期間で申告書を仕上げることが当たり前で身体に染みついているから、だらだらされるとかえってストレスが溜まりそう。」リノはそう言って読んでいた雑誌を机に置いた。
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