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第17話:国境を越えた役務提供に係る消費税_vol.2

国際税務の最前線を紹介する
「Rino's Tax Diary」 
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Rino's Tax Diary 第17話:国境を越えた役務提供に係る消費税_vol.2
「そういえば、最近知ったのですが、US本社が日本のエンドユーザー向けにソフトウェアの直販を始めたという話を聞いたのですが、これも消費税の影響はありますか?」須賀さんは思い出したように切り出した。
「御社はこの取引に関係しているのですか?」リノはすぐに質問した。
「いいえ、うちは日本の子会社と言えども、この取引はあくまでもUS本社の事業なので、全く関与していません。USサイドでいくら売り上げているかも全くわからないんですよ。そのため、こっちには何の情報も入ってこないですね。ただ、通販サイトを見るとダウンロードで販売しているみたいなんですけど。」須賀さんはよくわからないといった表情をうかべた。
「そうするとエンドユーザーが直接USの通販サイトからソフトウェアをダウンロードして代金を支払うという取引なんですね。」リノは確認した。
「はい、そうなります。これってどうなるんですか?」
「この取引がまさに先程お話しした、消費者向けのクロスボーダーの役務提供取引に該当することになりますね。消費者向けの取引の場合、事業者向けの取引と全く異なり、US本社が日本の税務署へ申告することになるんです。US本社は日本に事業所がありませんから、納税管理人を立てて消費税の申告書を提出することになるんですよ。」リノはできるだけわかりやすく説明した。
「えっ、そうなんですか。本社はわかっているのかな~。今のところ納税管理人になってくれとかいう話は聞いたことないんですけど。本社サイドとしても、うちにこの直販取引については口を出してほしくないようなので、うちとしても触れないようにしているんです。」須賀さんは不安そうに言った。
「まあ、御社が必ず納税管理人にならなければいけないことはありませんから、本社の方でどなたか納税管理人を選任すればいいと思いますよ。」リノは続ける。
「いずれにしても本社が日本で申告するには、まず税務署に「登録国外事業者の登録申請書」というものを提出して、自分はこれから日本で申告しますという申請をする必要がありますね。これって結構面倒な申請ですから、すでに直販をはじめているというのであれば、すぐに手続きした方がいいですね。」
「わかりました。私の方から本社に伝えてもいいんですが、たぶん先生の方から直接言って頂いた方がいいと思うんです。色々細かい話をするのにうまく伝わらないと本社の方でも混乱すると思いますので・・・。」須賀さんはリノにお願いした。
「わかりました。それでは事務所に戻ったらメールで本社のCFOに説明します。須賀さんにもCCに入れますね。」リノはそう答えながら、「消費税は年々厄介になってきますよね。私どもも毎年改正点をおさえるのに大変なんです。」と言ってすっかり冷めてしまったコーヒーをすすった。
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