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第15話:日本支店における諸問題_vol.5

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Rino's Tax Diary 第15話:日本支店における諸問題_vol.5
「あの~、またちょっと問題が出てきたんですが、今からそちらへお邪魔してもいいですか?」沼田さんからの電話だ。
「ええ。午後に外出する予定があるので、今から1時間ぐらいしか時間がとれないんですけど、それでも大丈夫ですか?」リノが聞いた。
「ああ、よかった。1時間で済みますので。じゃ、今からすぐ行きます。」そう言って沼田さんは電話を切った。

それから10分後。沼田さんが急いでやってきた。沼田さんの会社はリノの事務所から徒歩5分ぐらいのところなので、アポイントは急に入ることが多い。
「いつも急に押しかけてすみません。早速本題に入らせて頂きますが、昨夜本店から連絡が入りまして、日本のお客様からの入金があったみたいなんですが、80%しか入金がなかったみたいなんですよ。私どもは今回消費税抜きの金額で160万円の請求を出したんですけど、127万3,280円の入金しかなかったみたいです。どうなっているんですか?」沼田さんはリノに請求書を見せながらきりだした。
「え~っと。なるほど。確かに20.42%を源泉徴収されていますね。さすがにお客様は大手企業の経理担当者の方だけあって、国際税務をよくわかっていらっしゃいますね。」リノは続けた。
「お客様にとってみれば、外国法人である御社に役務提供対価、つまりソフトウェアを開発してもらった対価として報酬を支払ったので、非居住者に対する人的役務提供事業の対価の支払いということで20.42%源泉徴収したのだと思います。この処理は正しいですね。」
「えっ、そうなるとこれからもずっと20.42%源泉されてしまうということですね。」沼田さんはあせっている。
「何もしないとそうなりますね。でも、源泉の免除証明を受ければ源泉されなくて済みますよ。」リノは続ける。
「正しくは「外国法人に対する源泉徴収の免除証明書」と言うんですが、この証明書をお客様へ掲示すれば源泉されずに済むんです。例えば、御社の事業を外国法人の日本支店として活動する場合と、現地法人を設立して内国法人(日本法人)として活動する場合を考えてみましょうか。活動内容は基本的には同じですよね。その場合、お客様から入金される時に、内国法人だと源泉されずに入金されて、外国法人だと20.42%源泉されて入金されるとなると、外国法人にとって不利益が出ますよね。こういった不均衡を解消するためにこの制度があるんです。所轄の税務署長から免除証明書の交付を受けて、それをお客様へ掲示すれば、お客様の方で源泉することはしないというものです。」
「ふうむ。なんかややこしいですね。どうやってその証明書の交付を受けるんですか?」沼田さんはまだよくわからないといった表情で聞いた。
「こちらで交付申請書を記載してから、税務署へ申請します。税務署の方で審査して、承認された場合、免除証明書が発行されますので、それをお客様へ掲示して下さい。ただ、この免除証明書は1年ごとに更新する必要がありますので、更新する時になったらまた声をかけます。」
「はあ、なんとなくわかりました。では早速手続きの方をお願いします。」そういって沼田さんは立ち上がった。
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