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第14話:日本支店における諸問題_vol.4

国際税務の最前線を紹介する
「Rino's Tax Diary」 
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Rino's Tax Diary 第14話:日本支店における諸問題_vol.4
沼田さんがリノの事務所に来てから1週間が経った。突然、電話が鳴ったのでリノはすぐに受話器を取った。
「こんにちは。沼田です。先日はありがとうございました。ところで、ちょっとまたご相談にのって頂きたいのですが、この電話でも大丈夫ですか?」沼田さんは忙しそうに早口に話しをきりだした。
「先日、うちの会社の事業活動をお話ししたと思うのですが、本店から連絡が入りましてね、本店でも日本支店のために仕事しているから日本支店側で経費を計上してくれって言われたんですよ。これって大丈夫なんですか?」
「具体的に本店は支店のためにどのような仕事をされているんですか?」リノは聞いた。
「もちろん、支店の活動状況は逐次報告していますから、その都度本店から指示やアドバイスを受けています。あと、うちはソフトウェアなどの開発をやっていますから、イタリア本社で出来るものもあるわけですよ。最近はメールでやりとりできますからね。あとは、支店運営の管理、つまりマネジメント全般ですかね。クライアントとの契約書なんかもすべて本社がチェックしていますね。」
「なるほど。それで本店はどのような経費を支店へ付け替えたいと言っているのですか?」
「向こうで開発のためにかかった経費ですよね、例えば開発用の部材とか会議費とか開発部隊の人件費の一部も入っていると思いますよ。」
「ちなみに日本支店のためにかかった経費かどうかはどうやって把握しているんですか?」
「そのあたりは本社での管理はきちんとしていて、社内の経理システム上で、経費を計上する時にどこの経費なのか、支店ごとにコードを付して集計しているんですよ。なので、日本支店のコードを入れるとすぐに日本支店のためにかかった経費が集計されるようになっているみたいです。日本だけじゃなく他の国の支店にも経費を付け替えているみたいですからね。」
「へえ。それはすごいですね。」リノは驚いて言った。大会社ならともかく、本店が30人規模の会社の割にすごいシステムが入っているようだ。
「うちはシステム開発会社ですからね。こういったシステムを構築するのは得意分野ですよ。それがうちの飯の種ですからね。」沼田さんはちょっと得意そうにそう言った。
「本店から日本支店へ経費を付け替える時は、その金額が合理的な基準で計算されている必要がありますので、御社のような社内システムで部門管理されているのであれば大丈夫ですね。ただ、毎月本店から付け替えられた経費の集計表を支店側で保管しておいた方が良いと思います。」とリノは答えた。
「それならば大丈夫だと思います。ありがとうございました。あっ、もうこんな時間だ。これからすぐに出かけなくちゃならないんです。」沼田さんはそう言って慌てて電話を切った。
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